相談員紹介
藤原綾子
管理薬剤師・国際中医師
略歴
北陸大学薬学部卒
大学在学中から東洋医学研究室にて劉園英教授のもと東洋医学の知識を深める。
大学卒業後は日本調剤株式会社に入社。
調剤薬局での5年間の勤務を経て漢方薬局八仙堂に入社。
18年の勤務を経て2024年独立 藤花堂を出店。
プロフィール
漢方薬局を開きたいという目標を持ち、北陸大学薬学部薬学科に入学。東洋医学研究室に所属し中医学を学びながら、薬剤師の資格を取得。
卒業後は調剤薬局で5年勤務し、西洋医学・西洋薬の経験を積む。
その後、漢方薬局「八仙堂」に入社、漢方相談員として18年勤務。
独立し、2024年9月に漢方相談薬局「藤花堂」を構える。
漢方は最終手段ではなく予防としての選択肢
——漢方・東洋医学の特徴を教えていただけますか。
東洋医学の特徴と言えば予防医学と言えます。西洋医学で病気と判断されず治療に至らない不調でも、病気になる前の症状を見て先手を打つことができます。
問診をはじめ、脈診(みゃくしん:脈をとる)や舌診(ぜっしん:舌をみる)など客観的なデータをもとに、お客さまの体質に合わせたオリジナルの処方をたてます。
「病院に行くほどではないが体調の悪さを感じる」という方こそ、ぜひお気軽にご相談いただきたいです。
漢方の可能性を感じたきっかけ
——なぜ漢方の道を志したのでしょうか。
漢方との出会いは、小学4年生の頃の視力低下がきっかけでした。いくつか病院にかかったのですが改善せず、落ち込む私を見た母がいろいろと調べてくれて、漢方薬局を訪れることになりました。
そこでは「視力の回復は約束できないが、漢方を飲むと背が伸びるよ」と言われ、半信半疑で服用を始めました。
結果的に視力はあまり回復しませんでしたが、低身長の家系にも関わらず、言われたとおり身長がぐんと伸びたのです。
このとき漢方の力を実感したと同時に、なぜこのような結果になったのか理由を知りたいと強く思いました。
その後、東洋医学や漢方を学んでいくなかで、視力回復に繋がらなかったことも背が伸びたことも、根拠がわかり納得しています。
他にも、周りを見ていて感じることがありました。健康診断で問題がなかったにもかかわらず突然倒れる方や、なんとなく感じる不調を我慢して重症化してしまう方。これらは、どうしようもないというイメージでした。
しかし理論を学ぶと、事前に防げるものが多いとわかったのです。この知識を活かして、みなさまの健康的な暮らしに貢献したいという思いが、より膨らみました。
東洋医学以外の知見も治療に取り入れる
——大学を卒業後、西洋医学を学ぶため調剤薬局に就職されたのですね。視点の変化や気づきはありましたでしょうか。
調剤薬局での仕事も、患者さまの疑問や不安な気持ちに寄り添い、喜ばれることも多く、とてもやりがいがありました。
しかし、なかには症状の進行を抑えるしか手立てがないこともあり、西洋医学だけでの治療の限界を感じていました。
患者さまが「この薬を飲んでもよくならないよね」とおっしゃることに対して「これ以上悪くならないよう飲み続けてください」と伝えることが心苦しかったんです。
そこで、東洋医学と西洋医学を合わせれば、より効果的なのではないかと感じるようになりました。
例えば頭痛。
西洋医学では痛みをすぐに和らげるために鎮痛剤が処方されます。一方、東洋医学では頭痛の原因を見極め、痛みを繰り返さない体づくりのための処方を出します。
そのため、西洋薬で突発的な痛みを抑えながら、漢方薬でそもそもの痛みが出ないように改善していく治療ができます。
この両医学の特徴を活かしたアプローチで、お客さまのよりよい健康にお力添えできると考えます。
藤花堂について
——お店について、思いをお聞かせください。
地域の頼れる薬局になりたい。その思いからお店をオープンいたしました。
「とりあえず困ったら藤花堂に相談しよう」と思ってもらえることを目指しております。
当店では煎じ薬を中心とした漢方薬を処方いたしますが、漢方薬に限らず、その方にとってベストな治療をご提案できるよう心がけています。
ぜひ気軽にお立ち寄りください。
(文:眞嶋ひとみ 写真:池上純一)